ちょっと郊外のROYAL SELANGOR ビジターセンターへ 2019年秋・3歳娘とマレーシア子連れ旅行(4)
はるばるマレーシアまで行って、動物園とか公園とかプールでばかり遊ぶのもなぁ… せっかくならどこか面白いところに連れていきたいな、と思って目を付けたのが、ピューター製品で有名なROYAL SELANGOR ビジターセンター。
ビジターセンターはKL中心部から少し離れた場所にあるのだが、ホテルに送迎バスが来てくれるので便利だ。ちょうど、わたしたちが宿泊していたTHE FACE SUITESもピックアップポイントになっていたので、ピックアップの時間を指定して公式サイトから申し込む。
バスに揺られて30分くらいだろうか。ビジターセンターに到着。
日本人のツアーのお客さんが大勢いて、エントランスの巨大ジョッキ前で写真を撮ったり撮られたりする。KLシティギャラリー前ではあんなに警戒していたのに、相手が日本人だと途端に無防備になってしまうのは、自分の中に人種差別的な気持ちがあるのではないかと反省させられた。あのおじさんを警戒してしまったのは、単に人種だけが要因ではなく、職業もわからず、判断材料が少なかったせいだと思うのだが… 日常を離れると、良くも悪くも自分の本質が垣間見える気がする。
巨大ジョッキ
ビジターセンターは、ROYAL SELANGOR の歴史、ピューターについて、製造過程の紹介(実演)、ワークショップ、カフェ、ショールーム、という構成だった。とにかくとてもきれいで、デザインが素敵だ。さらには各言語のパンフレットやオーディオガイドも置いてある。適当に回ろうかなと入ったら、一人のお姉さんが「ガイドしましょうか?」と申し出てくれた。
うーん、この子がいるので順路に沿って歩けないかもしれません、と遠慮したのだが、「それは気にせず、どうぞ自由に見てください」と言い、程よい距離感で一緒に館内を回ってくれた。なんというホスピタリティ。日本語を勉強中、ということで、少し日本語も交えて娘と話してくれる。「おもしろい?」とか「大丈夫?」とか。コミュニケーション能力の高さは、言語能力の高さとは必ずしも一致しないよな、と実感する。
懐かしの元素の周期表コーナー
ピューター製品の仕上げ工程の紹介として、トンカチでピューターを叩いてカーブをつけたり、細かい模様をつけるのを職人さんと一緒に体験できるのだが、これを娘が気に入り、トンカチを離さない。ほかのお客さんもやりたいから、交代しよう、と声を掛けるが、娘は首を縦に振らず一心に叩き続ける。普段こういうことなかなかできないから、おもしろいよね。わたしも楽しかったし… ということはほかのお客さんもしてみたいだろう。独占はよくないぞ。
すると、ガイドのお姉さんが「ワークショップもあります」と教えてくれる。当日申し込みもOKだというので、さっそく申し込んだ。お姉さんが開始時間を教えてくれて、それに合わせて館内を見て回る。
広々とした館内のマップ
ワークショップは"THE SCHOOL OF HARD KNOCKS"という。お皿を作るらしい。さあさあ思い切り叩くがいい! 料金はRM65.00(約1,950円、1RM=30円)、陽気なお兄さんとマンツーマンで行われた。丸いピューターの板を、ドーム型の木型に載せてトンカチで叩いて湾曲させるのだが、全然変形しない。娘は不服そうだ。「さっき叩いたときは簡単に曲がったのに、これ変じゃない?」と言う。お兄さんは「もっと力いっぱい叩くんだ!」と言う。わたしはガンバレガンバレと応援する。お兄さんは"Hit it harder! Hit it harder!"と拳を握り、歌うように励ましてくれる。保育園の行事のようだ。
Hit it harderというロックの曲がありそうだ
最後にお兄さんが仕上げとして、ローマ字で名前と日付を入れてくれた。修了証と、着用したエプロンも記念にもらえた。一体何に使えばいいのかわからないお皿ができた。このお皿は高台がなく、テーブルの上でくるくる回って安定しないので、実用性は低い。娘はこれにお菓子を載せて食べるんだと言っていたが、実際お菓子を載せたところ使いにくかったようで、今は食器棚にしまわれている。いいんだ、思い出の品だから。
おなかが減ってきたので、カフェに入ってみた。引き続き洒落ている。メニューを見ると強気の値段設定だ。強気と言っても、パスタがRM23.00(約690円)、アイスバーがRM7.50(約225円)なので、日本と比べるとやはりリーズナブルだ。700円のパスタが高く感じてくる程度にはマレーシアに慣れてきたということか。
冷えないように娘に長袖のパーカーを着せて、寒いほど冷房の効いたカフェでのんびりする。娘に何が面白かったか聞いたら、やはり「トントン叩いたやつ」ということだった。
みなさん半袖でお寒くないですか
もしかすると娘は退屈してしまうかもしれないと思っていたが、巨大な1885サインに座ったり隠れんぼしたり、学生さんグループと秤に乗って重さ比べをしたり、チャイムを叩いて音色を聴き比べたりと、ワークショップ以外でもたっぷり楽しめていた。わたしはとにかく娘が楽しんでくれたらいいので、喜ぶ娘の写真を撮りまくって楽しんだ。
最後に、わたしにとってチェックポイントの一つであるお手洗い情報を。ビジターセンターのお手洗いはとても清潔だ。トイレットロールも完備。床もきれい。安心して用が足せる。
外国のお手洗いって、入った瞬間出たくなるような衛生状況のところも珍しくないので、ホテル以外できれいなお手洗いに入れると安心するし、めちゃくちゃ嬉しい。ワイドパンツなど履いて入ると、和服を着ているかの様に裾に気をつかう。だからわたしは海外旅行では絶対ワイドパンツを履かない。理由は色々だが、とにかくトイレの床が水浸しのことも多いので、素足にサンダルで入れる人は真の勇者だと思う。