「ちくわのわーさん」 衝撃のラスト。わーさんの行く先とは。
岡田よしたかさんの食べ物ワールドはシュールで楽しい。本作はラストが予想外で、娘もわたしも受け止めきれなかった。何度読んでも、最後に「わーさん、どうなったんだろうね?」と娘が訊く。
ちくわのわーさんは口笛を吹きながらどこかへ向かう。お昼寝したり、空を泳ごうとしたり、他の食べ物に憧れながらどんどん進む。わーさんの目的地である一軒家には仲間が待っていて…
食べ物を擬人化するのかぁ。魚介やお肉ではなく、ちくわやパスタや海苔巻きというところが、ギリギリ絵本として成立するキャラクターな気がする。でも、サンリオには「きりみちゃん」がいるな… 国産豚切り落としはキャラクターとしては無しかな。
わーさんの関西弁がいい。わたしにも娘にも馴染みのない関西弁の台詞だと、ここから遠いところのお話という感じがする。日本のどこかにはこういうところがあるかもしれない。もしかしたら、トトロの住む森みたいにね、ということにしてある。
わーさんはちくわとしての運命に逆らわなかった。嬉々として仲間と運命を受け入れた。わーさんの生き様は清々しくもあり、でも擬人化した食べ物を思うとなんとも腑に落ちない。わーさんと仲間だけでなく、全ての食べ物に対して尊さを感じずにいられない。
↓食べ物が主役の絵本