「毎日石鹸で洗わないで」 皮膚科医のアドバイス
2019年の春、出張先で風邪と蕁麻疹の波状攻撃で仕事どころではなくなって以来、定期的に湿疹に悩まされている。
最も異常が現れやすいのはふくらはぎだ。日によって全然気にならなかったり、かきむしりたくなるほど痒くなったりするのだが、ふくらはぎから全身に広がるのを恐れ、皮膚科を受診した。
何度か診てもらったことのある医師に、今回も同じ症状なのですが、と患部を見せる。医師はライトを当てながらふくらはぎの湿疹を観察して、「湿疹かかぶれに間違いないね」と言う。
「湿疹やかぶれっていうものはね、何かが刺激となったときに現れます。心当たりはありますか?」
ないです。
「そうですか。まさか体中をボディソープで洗ったりはしていませんよね?」
毎日ボディソープで洗っています。
少し沈黙してから医師は訊いた。
「ボディソープを口に入れると、すごく変な感じしますよね?」
?
わたしは毎日ボディソープを飲んでいるわけではないのです…
それから、ボディソープを口に入れると変な感じがするのは、それを口に入れることを前提とされず、調味されていないからではないでしょうか… なんて言えない雰囲気。
「ふくらはぎってね、皮脂が一切! 出ない場所です。そこを毎日! ボディソープで! ゴシゴシ洗う必要はないんですよ」
そうなんですか。
「そうなんです。毎日石鹸で洗ったほうがいい場所は、頭、首のまわり、わきの下、手のひら、足の裏、そして陰部。この6箇所です。それ以外はぬるま湯で洗えばじゅうぶんです。1週間に1度くらいなら石鹸で洗っても構いませんが、わたしはおすすめしませんね。石鹸で洗う必要はないんですよ。新陳代謝が盛んなお子さんならともかく」
医師は興奮しながらも、社会人としてのマナーを忘れていなかったようで、そこで口を噤んだ。
「新陳代謝が盛んなお子さんならともかく、あなたは代謝の落ちた中年なんだからお湯で洗えばよろしい」ということだなと解釈する。
「今回は、このお薬を毎日2回忘れずに塗ってください。よーく見て、もう湿疹が一つも残っていないな、って思うまでは毎日塗りましょう。絶対に途中でやめないでください。またぶり返します」
はい。ところでお風呂上りに乳液を塗っているんですが、それは続けて構いませんか?
「保湿は一番大切です。それは是非、続けてください。はい今日はもう結構ですよ」
ありがとうございました。
こういう泡だらけのCMをよく見る。
この商品に限らず、ボディソープのCMでは、例の6箇所(頭、首のまわり、わきの下、手のひら、足の裏、そして陰部)以外も泡だらけにしているので、すっかり「ボディソープで全身洗うもの」と信じ切っていた。
この受診を機に、毎日全身をボディソープで洗うのはいったん見合わせ、6箇所だけ泡で洗い、他はお湯で流すだけにしてみよう。
この話を娘にすると「そっか。清水先輩も、やっちゃんにそういうこと言ってたから、洗いすぎないほうが良いのかもってわたしも思ってたんだよね。ママ、洗いすぎだったのかもね」と、すでにハイキュー!!から洗いすぎは良くないことを学んでいた。娘は本当に人の話をよく聞いて覚えているなあ、と感心した。