「たみこの海パック ふりかけワークショップ」オンラインイベント
先日、ご縁があって「ふりかけワークショップ」というオンラインイベントに家族で参加した。
南三陸町で「たみこの海パック」という、海産物の販売を手掛けている阿部 民子さんが講師となって、まずは紙芝居を用いて南三陸町のこと、東日本大震災のこと、漁業のこと、海藻のことをお話ししてくださった。
2011年に巨大地震が起きた時のこと、その後の南三陸町の街や海の様子、民子さんの葛藤(もう海は怖いという気持ちと、自分に何かできることはないかという気持ち)、海パックを仕事として立ち上げるまでのこと、そして南三陸の海で育つ海藻のこと。
あの震災当時、わたしは東京にいて大きな揺れに驚いたし、交通機関はストップして帰宅できなくてホテルに泊まったし、実家の両親のことも心配だったけど、今となっては「いや~、あの時はびっくりしたよね」と軽く話せてしまうのは、肉親や友人知人に亡くなった人が一人もいないからだろう。
民子さんはきっと、今でもお辛い気持ちを抱えてらっしゃると思うし、地震や津波(海)に対する恐怖心もお持ちのことだろう。
それでも、一生懸命お話してくださる姿に、真の意味での復興とは何だろう、一度ついた傷が癒えることはあるのだろうか、と考えると同時に、いまの暮らしがいつまでも続きますように、と祈るような気持ちになった。
ガラッとトーンを変えて始められた海藻の話には、いつまでもしんみりした気持ちではいられない、という民子さんの決意のようなものを感じた。参加者には子どもたちも多かったので、
「生のわかめって何色か知ってる?」
「わかめはどこに生えているのかな?」
などの問いかけに、「くろー!」「ちゃいろー!」「うみー!」「いわー!」と声が上がる。一転して楽しい雰囲気になった。
民子さんが送ってくださったふりかけの材料には、わかめ、香りおきあみ、ふのり、めかぶ、とろろ昆布、白ごま、特製タレ(醤油、みりん、砂糖、酢など。お子さんが多い時には酢を控えめにして食べやすくしています、とおっしゃっていた。すごい心遣いだ)が入っていた。
まずは生わかめの茎を取る。茎の横を少し裂いて、指で挟んで茎を引っ張ると固い茎と柔らかい葉に分かれる。これらを細かく刻み、その他の材料と混ぜてふりかけを作る。茎わかめは炒めても美味しいですよとおっしゃっていたが、我が家は全部刻んでふりかけに入れた。
そのふりかけをジップ袋に入れ、娘が「ふりかけ」と書いたラベルを貼る。
出来上がったふりかけ
ちょうどお昼どきにふりかけの試食タイムが設けられていた。参加者全員でふりかけご飯を食べる。炊き立てのご飯を、海藻いっぱいのふりかけでいただく。画面越しに「美味しい」の声がわいわいと聞こえてくる。娘も「うん、美味しい」と言いながらたくさん食べていた。
このふりかけの賞味期限は2週間ほどだが、あっという間に食べてしまいそうだ。
正直なところ、イベント当日までは「ふーん、ふりかけワークショップって言っても、材料混ぜるだけでしょ?」と軽んじていたのだが、イベント終了後は満足感でいっぱいだった。
いつか三陸を訪ねてみたいなあ。
三陸といえば、ドラマ「あまちゃん」が思い出されるので(きちんと見ていないので、じぇじぇじぇくらいしか知らない)、三陸鉄道リアス線に乗ってみたい。きっと牡蠣も美味しいに違いないので、牡蠣と白ワインもいただこうと心に決めている。
↓民子さんによる「たみこの海パック」