なる楽生活

なるべく楽に、なるべく楽しく。日々の暮らしの雑記。

南ヶ丘牧場でソーセージ&バター作り体験 2020年秋・娘4歳と那須へ家族旅行(1)

東京発着もgotoトラベルの対象になったので、久しぶりにわたしの両親と二泊三日で那須に行ってきた。両親と孫は、お正月以来の再会だったので、娘は二人の姿を見つけると「おじーじ!おばーば!」と駆け寄り、両親は「大きくなったねえ!」と何度も言い、何度も何度も娘の頭を撫でていた。わたしは数メートル先で抱き合っている両親と娘を見て、涙が滲んだ。「普通に会える」ってこんなにも貴重なことだったかと。

 

さて、初日は南ヶ丘牧場に行った。ここは何度か訪れたことがあるが、ソーセージ&バター作り体験は初めて。そしてこの手作り体験がとても面白く、ソーセージもバターもおいしく、家族全員大満足だったのだ。

 

駐車場や入園は無料。

 

ソーセージ&バター作り体験は、一人1,580円(材料費1,080円、会場入場料500円)。大人4人に幼児1人なので、材料費は4人分で良いかと思っていたが、娘が「わたしもいっぱい食べるから!」と言い張るので5人分の材料で申し込んだ。

 

会場入り口で手袋をし、消毒してから用意された席につく。

テーブルの上には5人分のソーセージの材料が置いてある。「これ、4人分で良かったよね」「いや、3人分でも良かったかも」と言うほどに、お肉の量が多かった。作る前から食べきれるのか不安になってくる。

 

f:id:yukiyama91:20201009103950j:image

ひき肉、塩、片栗粉、スパイス、羊の腸、水

 

まずはボウルに規定の量の水、塩、片栗粉、スパイスを入れ、ひき肉をよくこねる。娘は手袋が大きすぎて作業がしづらそう。「お肉が冷たーい!」と言っている。これは脂が溶けてしまわないように、直前まで冷やしているのだそうだ。なるほど。粘りが出てくるまで素早く混ぜる。ずっと触っていると体温で脂が溶けてしまうので、スピードが重要だという。

 

こねたらお肉をまとめて両手で持ち、高いところから5回ほど落として空気を抜く。ボウルに落ちたとき、お肉が少し飛び散っていた。着ているものを絶対に汚したくない人はエプロンを持ってきたほうが良さそう。

 

次はそのお肉を絞り袋に入れる。口金からは簡単に出てこないので、空気が入らないようにぎゅうぎゅうに詰める。袋を絞り、口金から1cmほどお肉を出す。

 

そして、羊の腸の先端を広げて口金に付ける。これが一番難しそうだった。手先が器用な夫も苦戦している。もしかしたら破けるのではと、羊の腸に遠慮しているのではないだろうか。わたしはカメラマンに徹していたが、このままではいつまでもお肉を絞り出せぬという焦燥感から、「やらせて」と申し出て、腸の先端をぐいぐい広げて口金に装着。「腸って、すごく丈夫だからこれくらいじゃ破れないんだよ。思い切りやってごらん」と、偉そうに母に告げる。自分より体格の良い娘が思い切りやってもいい、と断言して安心したのか、母も手際よく装着。父も夫も「広げるどころか、先端をつまめない」と言っていたので、指が細いほうがこの作業に向いていたのかもしれない。

 

口金に装着した羊の腸を手繰っていく。1cmほど出したお肉の脂で腸が滑り、するする手繰れる。娘はこの作業が楽しいらしく、「わたしが!わたしが!」と飽きずに手繰っていた。終端5cmくらいになったら、固結びする。これでお肉を絞り出す準備が完了。

 

f:id:yukiyama91:20201009104046j:image

いよいよお肉を絞り出す

 

絞り袋を思い切り押してお肉を羊の腸に絞り出していく。かなり力を入れないとお肉が出てこず、さらに一定の力で押し出さないとソーセージが太くなったり、細くなったりする。我々には二つの絞り袋が貸し出されたので、一つは娘と両親が、もう一つは夫が絞り出した。娘はあれこれおしゃべりしながら、夫は黙々と作業する。1本70cmくらいの羊の腸詰めが6本、テーブルに横たわるさまを見て、大人4人は「これを食べたらもうおなか一杯で昼食はいらないな」と思っていた。

 

腸詰めを程よいサイズに結ぶ作業では父が意外な器用さを発揮していた。娘に「これくらいの長さにするか?」と訊いて手際よく結んでいる。「おじーじ、上手だね!」と娘に褒められて父は嬉しそうだった。いかん、また涙が…

 

f:id:yukiyama91:20201009104146j:image

料理というより作業ぽいことは得意らしい

 

いよいよソーセージを茹でる。お湯が鍋に用意されているので、それぞれのグループごとにソーセージを入れて茹であがるのを10分ほど待つ。

 

それを待つ間にお次はバター作り体験だ。手を洗ってテーブルに戻ると、牛乳と生クリームが入っているという容器が5本置かれていた。なんという段取りの良さ。

 

バターはこの容器を上下に強く振るだけでできるのだそうだ。衝撃を加えることが大切でーす、大人のかたで10分くらい振れば完成でーす、とお姉さんは笑顔で言った。じゅ、じゅっぷん? 本当かなと疑い深いわたしは、iPhoneのタイマーをセットして振り始めた。

 

果たして、8分を過ぎたところで容器にクリーム色のかたまりが付着し始めた。本当にバターができるんだ、と確信すれば心が軽い。より一層激しく容器を振り、10分を過ぎたところでそれをテーブルに置くと、バターができていた。

 

f:id:yukiyama91:20201009104313j:image

容器の底と真ん中にあるかたまりがバター

 

容器に残ったのは低脂肪乳なので、飲んでみてくださいねとお姉さんが勧める。娘には「これ、シロさんとケンジ*1が飲んでるタイプの牛乳だって。飲んでごらん?」と薦めてみた。牛乳嫌いの娘は頑として口をつけず、わたしが娘の分までいただいた。普段、低脂肪乳を飲まないので、確かに脂肪分が少ないような、味が薄い気がした。

 

f:id:yukiyama91:20201009104415j:image

低脂肪乳をコップにあけてバターだけが残った

 

これまた素晴らしいタイミングで、トーストされたミルクパンのお皿がテーブルに並べられた。水ではなく、牛乳を使ったパンで、売店でも売られていた。ほんのり甘いパンに、出来立てのバターをたっぷり塗っておいしくいただいた。ホイップバターのような軽い口当たりのバターだった。

 

さて、茹であがったソーセージを切り離し、今度は鉄板で焼く。我が家は大量にあるので、一部は焼かずにそのままいただいた。味付けが絶妙なのか、大変おいしかった。ソーセージは好きじゃない、と言って日頃加工肉全般を敬遠している母も、これはおいしいと言って何本も食べていた。そう、その調子で全員でもりもり食べないとせっかくのソーセージが余ってしまう。ケチャップとマスタードも用意され、至れり尽くせりだ。

 

f:id:yukiyama91:20201009104502j:image

こんなに大量のソーセージを見たのは生涯初、あと1皿ある

 

作業開始から食べ終わるまでの約1時間に、おもしろいね、楽しいね、おいしいね、と何回言っただろう。この手の体験が大好きな娘はもちろん、大人も楽しめる素晴らしいプログラムだった。また南ヶ丘牧場に行くことがあればやりたい。

 

また、ソーセージ豆知識を得たのでここに記す。良かったら覚えて帰ってくださいね。

わたしはフランクフルトとは「ソーセージを棒に突き刺したもの」だと思っていた。

 

f:id:yukiyama91:20201009104557j:image

羊の腸→ウインナー、豚の腸→フランクフルト、牛の腸→ボロニア

 

それにしても、この新型コロナ禍でこういったプログラムを提供するのは大変なことだろう。南ヶ丘牧場のスタッフのかたがたには頭が下がる。わたしたちの「普通の」日常は、多くの人々の努力に支えられているのだということを改めて認識した。

 

 

娘との旅行シリーズ↓

*1:きのう何食べた?」の登場人物